[movie/スカパー]ぼくのバラ色の人生


ぼくのバラ色の人生

発売日 2000/05/26
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原題: Ma vie en rose
監督: アラン・ベルリネール
出演: ジョルジャ・デ・フレネ, ジャン・フィリップ・エコフェ, ミシェール・ラロック, エレヌ・ヴァンサン, ダニエル・アンセンス
配給: ギャガ・コミュニケーションズ
1999年/ベルギー・フランス・イギリス合作/カラー/87分

7歳のリュドヴィックの夢は、女の子になることだった。着飾って、好きな男の子と結婚する・・・そんな人生を思い描く彼を、最初は受け入れていた周りも徐々に奇異の目で見つめ、やがて決定的な事件が起きる。家族だけは何とか彼を理解しようとするが、しかし・・・


男女の差っていうのはどこで生まれるのか、彼の「ボクって男なの?」というあくまでも純粋な問いに揺らぎを感じちゃいますよね。生物学的な男女の差、っていうのも実は曖昧で、半陰陽というのは少なからず存在することも確か。この前図書館に来た『男でも女でもない性 : インターセックス(半陰陽)を生きる』という本を見て、本当に男女の差って曖昧なんだなあと思いましたよ。それに最近は所謂トランスセクシャル、生物学的には男性だけれども、心は女性というのもかなり認知されていて(正しくかどうかはともかくとして)、なんとなく社会でも受け入れられるようになった感じもします。戸籍変更も可能になってきているようですし。「男らしい」とか「女はこうあるべき」みたいな性概念も、社会が勝手に考えだした偏見みたいなものですから、時代が変われば女性性、男性性というのも変化するもの。実は男女なんて簡単に分けることのできない複雑で微妙なものがあるのかもしれません。最近可愛らしい男の子の中には(もう既に少年を過ぎたような年の子でも)本当に女の子にしか見えない子っていますしね。ジャニーズ系とかまさに。

しかし、頭ではわかっていても、そのグラデーション的な曖昧さは、社会制度をも崩壊させるほどのインパクトを持つものだけに、なかなか受け入れてもらえないものですよね。特にそういう社会制度上で巧くやっている人たちにとっては、その存在は脅威以外のなにものでもない。コミュニティで受け入れてもらえないつらさと、でもそんな彼も家族の一員と思う彼ら。どっちが正しいとかそういう説教臭さではなく、あくまで家族愛と「それはほんのちょっとしたボタンの掛け違い程度の話なんだ」に焦点を置いたところに、この映画のよさがあると思います。可愛らしい主人公と、ポップな映像(笑っちゃうくらいステレオタイプな女の子の世界)に乾杯。

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