本気で言ってるとしたら、かなりやばい・・・

実名でのネット活用促す 総務省「悪の温床」化防止 (共同通信) - goo ニュース

もちろん、「やばい」のは匿名に隠れてる人々じゃなくて、総務省のほうですよ。本当に彼ら、現実を分かって言ってるんでしょうか。

そもそもインターネットは実名原則だったことは知ってて言ってるのかなあと思うのです。日本の初期インターネットでは、@の下はすべて企業とか大学の名前が入っていたし、企業や大学でオフィシャルに使うメールアドレスに、わけのわからない名前を付けたりする人はいなかったから、実名でやりとりするのがあたりまえでした。ニュースグループでも○○@△△大とか、○○@NTT(あのころは、NTTのドメインはntt.jpでした。nttはacとかorとかと同じレベルだったのです)とか、みんな平気で書いてました。でも、結局人が爆発的に増えたことで、本名を書くことは現実的な意味で自分を危険に晒すようになったわけですよね。だから、誰もが仕事(や研究)で使うアドレスと、個人で使うアドレスを使い分けてるんじゃないでしょうか。今更あの90年代初期の、ネットに繋がってる人がほとんど誰だかわかっていた頃に戻るなんて無理ですよ。実名オンリーになったりしたら、結局マスコミを含む「企業」とか「政府」とかの傘を借りてる「似非個人」以外、誰もいなくなっちゃう。

それにブログに本名を含めた個人情報晒してる「個人」なんて、ほとんどいないんじゃないですか?SNSだって匿名性が低いとは言えないですし(私も本名なんて入れてない)。きっとそんなことをしたら、ストーカーだの、いやがらせだの、騙りだの、詐欺だの、別の危険性が高くなって、アタマを抱えることになるのは目に見えてます。

実名だったら公開しないのか、っていうのにも疑問ありです。爆弾の作り方なんて、探そうと思ったら絶対図書館にあります。『火薬工学』とか、Amazonでもbk1でも普通に手に入りますし。「DVDのコピーの仕方」なんていうやばそうなタイトルの本が平然と「ウィークリー出版情報」に出てますけど、あれはどうなんでしょう。

大体日本だけ規制してもねえ。私がネットを始めた1994年の頃から原子爆弾の作り方が出てるって話題になってましたけど、確か言語は英語でしたよ。じゃあ幼い頃から英語を学ぶのも規制しないとねえ(笑)。

あまりに短絡的すぎ。まるで、刃物は危険だから包丁は握らせないみたいな過保護さを感じます。そんなの結局ジャガイモの皮も剥けない人間を作るだけです。本当に取り組むべきは、どんな情報にも対処できるリテラシー能力の形成と、爆発物は人に向けて使うものじゃないことを伝えることですよね。

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