厳寒の初仕事

なんだか年始早々から咳が止まらない私です。すっかり婆さんになってしまったようで、寒いとすぐに風邪引くようになってしまいました。熱は出ないんですけどね(だから長引くとも言う)。そんなことは関係なく、今日から出勤です。

ところが職場について、思わぬ敵が待ち受けていました。職場の年末年始は完全に空調も止まっている上に、何十年ぶりとかいう異例の寒さ。いつも週の頭は暖房の効きが悪くて寒いくらいの建物なのに、それが1週間近くも続いているわけですから、暖まるどころではありません。室内温度=外気温。みんなぶるぶる震えています。我慢できなくなった人からコートを着始め、気づくとみんなコートにマフラーで机に向かい、カウンターで利用者と応対するというとんでもない光景に。

私がカウンターで寒い寒いと思っていると、ここよりもさらに古い建物に研究室を置く先生がやってきました。年始の挨拶をしたあとに出てくるのは「寒いですねー」。しかし、先生はまだまだここは暖かいと言います。

「あっちはねぇ、もう氷ですよ」

そんな私は、午後どうしてもその古い建物へ資料を見に行かなくてはならず、コートを羽織って出かけました。なんか関東平野部の一部でも雪がちらついていたという午後16時過ぎ。空には厚い雲がたれ込めて、もう夜かというような暗さです。そして、古い建物に一歩入って思いました。

こ、これは・・・確かに外より寒いかもしれない。

震災も戦災もくぐり抜けてきた煉瓦造りのその建物は、元々キャンパスの北側に位置している上に、古いことも手伝って、まるでワインセラーのよう。ドアを一歩入ったとたん、空気がピンと張りつめていて、冷蔵庫に入ったような冷気を感じます。

カウンターを抜けて、地下の書庫に入ると、さらに温度が下がったようにも感じました。階段を下りながら私の吐く息は白くなっています。震える手で本を取り出し、ページをめくりながら、誰もいないことを良いことに心から言いました。

「寒みぃーよぅ」

風邪がぶり返してきたかも・・・。

コメント