iPodで借りれる図書館

Playlist: Libraries turning to iPods and iTunes

今、図書館資料のデジタル化はどんどん進んでいて、特に海外の学術雑誌の多くが電子ジャーナルで提供されています。電子ジャーナルの多くはジャーナル単位ではなく、パッケージで売られるので、今までのようにこれは使うから買う、これは要らないとか選定することが難しく、しかも抱き合わせ販売のようなものなので、小さな図書館ではとても買えないほど高かったりして問題もいろいろあるのですが、図書館に行かなくても雑誌記事索引で検索→その場で全文を見られ、自分のハードディスクに保存したり、自由にプリントアウトしたりできるというメリットは非常に大きいのです。図書館側としても常に悩まされるスペースの心配をしなくていいという利点もあります。最近日本でも出てきましたが、電子ブックも特にアメリカでは数多く刊行され、私の勤める図書館でもおそるおそるながらも買い始めています。

が、皆さんご存知のようにデジタルは著作権がやたらとうるさいのです。今までなら、自館で持っていなくても、近隣の大学で持っているなら、それを見に行くなり、遠くでも複写して取り寄せたり、本だったらそのものを取り寄せたりすることも可能でした。が、電子ジャーナルや電子ブックの場合はそうはいきません。大学のコンピュータは構成員でしか使えないようになっているし(通常ログオンしないと使えない)、電子ジャーナルの場合は図書館間相互協力による複写依頼を受け付けてくれないところが大半です。学術系電子ジャーナルの場合、提供側ではOKとしているものもあるのですが、確認が面倒だったり、図書館側が対応できないという問題もあるようです。そのせいで、泣く泣く海外に複写依頼をしたこともありました。

付録にCDやDVDがついている図書も増えましたが、図書館で貸し出せるかどうか、いちいち著作権の確認をする手間がかかるという始末。上の記事は、そんなデジタルだからこそおこる問題を例にあげる一方で、iPodとiTunesを使った新しい試みが紹介されています。

そういわれてみると、大学でも音楽CDやオペラや映画のDVDをたくさん持っていますが、ああいうのもいつのまにかiTunesで提供されてるんですよね。iPodとiTunesの著作権管理方法が、図書館業務とちょうどあっていた、というのも興味深いです。CDさえ貸し出すのに侃々諤々の日本では、まだまだ難しいとは思いますけど。

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