ブログと本

歌田明弘 「ブログから生まれる本」 出版ニュース 2006年3月下旬号

アメーバブックスの取締役編集長・山川健一氏の講演を聴いた話。ブログを書籍化しようと持ちかけると、快い反応が返ってこない。表に出るのを嫌がるとか、紙媒体1万部では1日5万アクセスあるサイトの管理者はインパクトを感じない、またアフィリエイトがあるから別に収入を得ようとも思わないなど、とにかく「本を出したい」という気持ちが全く無いことに驚いたというものです。

ブログの場合、無料で見られるものだからこその気安さってあると思うんです。これを売るってことはそれ相応の責任も発生するし、あくまで趣味でやってるのに面倒なことを背負いたくないっていう気持ちわかります。

多分本を出したい人っていうのはこれからもいるだろうし、それを本職にしようと日々努力している人だっているはず。その総量はそれほど変わっていないのではないかと思うのは、近年やたらと増えたデビュー権つき新人賞がさらに増えているということから考えても間違いないのではないかと思います。

ブログの書き手というのは、そういう「本職の物書きになるんだ」っていうのとはちょっと違うんじゃないかなーと思うんですよね。言いたいことなんて誰にでもあるもので、それを書く場所が簡単に提供されて、反応が返ってくるのが面白くて続けてる、って人も多いのでは。テキストベースなので見た目は似てるんですけど、ブログと本はぜんぜん違うものだと思うのです。もちろん「本職指向派」がブロガーでもあることはあるでしょうからそういう話に飛びついてくれる方もゼロではないと思うのですが(読書系は案外本職指向派ブロガーが多いのでは)・・・。そう言う意味で紙媒体にはネットとは異なる使命があるわけで、それでご飯を食べてるプロフェッショナルなわけですから、それ相応のものを作ってもらわないとね。

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