PASMOとSuicaとEdy、電子マネーの本命は

半年後に迫ったICカード版「パスネット」の発行。2007年導入が決まってから、次々とニュースリリースが出てて、9月26日には東急TOPカードとPASMOを紐付けすることで、自動チャージが可能になるという発表がありました(東京急行電鉄のニュースリリース(PDF))。他にJCBやニコス、その他参加私鉄系カードと紐付けできるそうです(「PASMO」のオートチャージサービス、概要が明らかに(ケータイWatch))

PASMO最大の特徴とも言えるのは、Suicaとほぼ完全に相互利用できることだと思います。逆にSuicaとどこが違うのか、いまいちよくわからなくなってしまいました。事業者をまたがる定期券の発行もOK(これはJR+私鉄でもOKなのかしら)、Suicaの店舗でPASMOを使うことも出来るし、逆もOK。JRのICカード対応機でチャージもOK。定期券じゃなくてもJR、私鉄の両方に乗れる。違うのって、紐付けできるカードの種類が違うだけ?既に持っているカードがPASMOに対応するので、私自身はPASMO派になりそうですが、VIEWカードを既に持っている方は、Suicaは関西でも使えますから有利ですよね(さすがに東日本以外のJR系ICカードとの相互利用はまだ未定らしい<PASMO)。分かりづらいので、PASMOとSuicaを横軸に、縦軸にサービスを並べて、出来る出来ないを表にしてくれると嬉しいかも。

あと思うのは、乗り方によって料金が違うのをどう計算するかですね。どんどん複雑化する相互接続で、事業者が別でも間に改札のない場所も結構あります。白金高輪なんて、同じホームに東京メトロと都営、そして東急の車輌が止まります。そこに定期券が入るとさらに難しい。パスネットの2枚入れでは最も安い料金の引き落としがされているようですが、JRが入ると難しくなりそうです。Suica|自動精算についての、Suica定期券 例3 定期券区間を経由して、定期券区間外の駅相互間を乗車する場合みたいなやつ。相互利用になると、駅相互区間が、別事業者の可能性もあり得ます。昔、JRの清算機では「この切符は自動清算機では清算できません。窓口へお越し下さい」と言われることがありましたが、そのレベルのものもちゃんと計算してくれるのでしょうか。

でもこういう最新サービスの割に、すごーく利用者の利便性が考えられていて、私は今回の取り組みは良いなあと思います。しかもクレジットカードのポイントをPASMOの電子マネーに振替できそうなので、実質割引になるところも嬉しい。

ここで動向が気になるのが、2005年末時点で最も認知度の高かった電子マネーEdy(ITMediaの記事)。モバイルSuicaはまだそれほど普及してはいませんが、首都圏に住んでいてカード型のSuicaまたは現行パスネット、いずれも持っていない人は少ないと思われます。特に定期券を購入する人はJR+私鉄両方で使えて(使えるなら)、乗り越し清算もできるICカードにしない理由はないです。その場合、普段使う店舗のリーダー端末が複数の形式に対応してたら、既にもっているICカード以外にわざわざ手を出すでしょうか。Edyは飛行機と(ANAと)相性が良いですが、飛行機を使う人より電車を使う人のほうが多いでしょうし。また現在はおサイフケータイ=Edyの印象がありますが、おサイフケータイ(電子マネーをケータイに載せること)の最大の利点は、ケータイ機能を使ってチャージが出来ることだと思うのです。でも新ICカードはクレジットカードと紐付けしておけば、残高が少なくなると自動チャージしてくれるそうで(Suicaも同じ方式を採用する模様)、そうなるとあえて機種変更時の面倒があるおサイフケータイに手を出すのも微妙な気がします。実際私としても、おサイフケータイのことを考えなければ、安い70X系の機種に変更できるし、ちょっと考えちゃうな~。いくつか入れてるポイントカードがあるから、簡単には戻れないような気もするけど・・・。Edyの強みである「全国で使える」も、電車事業系で相互利用が進むとどうなんだろう。随分前、大阪行ったときに、JRだから、とイオカードを改札に入れ(当然改札は通してくれなかった)、ちょっとしたカルチャーショックを感じたことを懐かしく思い出します。

ただ、クレジットカードとICカードを紐付けしてると落としたときのリスクは高いかもしれません。PASMOの場合、1回3000円固定、1日3回までと自動チャージの金額は決まっているようですが、しばらく気づかないと怖いですね。ケータイと定期、どっちほうが落とす確率が高いか、どっちが気づくのに時間がかかるかってことかな。

いずれにせよ、あと半年でサービスが始まります。結構楽しみです。

参考
2007年3月 SuicaとPASMOは、相互利用サービスを開始します(PDF)

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