[2006年を振り返って]読書

1年間読んだ本を振り返っていて、今年は案外「図書館」の年だったんじゃないかと思ったのでした。利用者の立場から書かれた千野信浩著『図書館を使い倒す!』(新潮社 実際の出版は去年の10月)、図書館員が書いた『図書館のプロが教える”調べるコツ” 』、そして図書館を舞台にしたエンターテイメント小説『図書館戦争』と、単に図書館が出てくるというわけではなく、図書館が中心となる本が次々と出て、しかも結構話題になりました。特に『図書館戦争』は、同僚とも話していたのですが、案外よく図書館のことを調べられていて、図書館員が笑えるようなツボを抑えている、という印象でした。ブログが一般的に普及し、誰もが読者であり、発信者である時代を迎えて、図書館という場所が、情報を自ら得られる場所として、もっと広く認知されることを願ってやみません。

同時に今年は私の中で東野圭吾yearでした。1月に『容疑者Xの献身』で6度目のノミネートにしてとうとう直木賞を受賞。その後『赤い指』『使命と魂のリミット』という2作の小説が刊行されましたが、いずれもさすがと言える面白さ。『手紙』も映画化されました。GyaO試写会で見た後、原作も再読してみたのですが、やっぱり良いですね〜。映画も最初見たときは結構アレンジされているように感じていましたが、案外原作に忠実に作られていたんだと思いました。来年も期待してます。

毎年やっぱり彼の作品がよかったなーと思う奥田英朗も健在。『ガール』最高でした。

また、私の中で今年のヒットは、読書とは違うかもしれませんが、何度も調査依頼を受けた戦前の日本なのです。明治から大正、そして昭和初期の日本の様々な言論は、今の常識が全く通じないだけに面白くて(でも江戸時代のような読めない文字で書かれてないし)、新聞にこんなこと書いてあるよ〜とか、こんな理屈をこんな地位の人が言ってたんだとか、読んでいて全く飽きません。そしてそんな話が、うちのじいさんとか普通に生きてた時代の言論だったりするわけです。事象だけを追う歴史教科書と全く違う、その時代の目線から近現代史が楽しめます。

今年も去年と同じ程度の読書量だったな〜。ただ今年は再読も出来たし、古い本を読んだりもできたので、来年もこんなペースで楽しみたいと思います。今年最後の読書は、趣味が似ている同僚おすすめの、桜庭一樹著『少女七竈と七人の可愛そうな大人』になりそうです。

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