メフェナーボウンのつどう道 / 古処誠二著

メフェナーボウンのつどう道

メフェナーボウンのつどう道
著者: 古処 誠二
出版者: 文藝春秋
発売日: 2008-01



第二次世界大戦中のビルマ。ラングーンに設営されていた戦地病院が、戦況の悪化で撤退することになった。日本赤十字の看護婦で、ラングーンに赴任していた静子は、比較的動ける患者と衛生兵、仲間の看護婦と共に連日爆撃が続く街道をモールメンへと行軍することになった。しかし、途中で予定外のことが起こる。

沖縄を離れて、しかしここも激戦地のビルマ。負傷し捨てられた兵長と、衛生兵、看護婦、そしてビルマ人の臨時雇い看護婦という奇妙な一行が行軍しながらそれぞれの価値観の違いから、日本という国が被った様々な仮面(メフェナーボウン)を描いていく物語。この著者らしい作品ではあるし、ストーリーテラーとしては一級だと思うのですが、古処誠二作品を続けて読むと飽きるかもなあという印象です。ただ、戦時中シリーズ(勝手にシリーズにしてみる)としては、私としては他よりも面白かったです。という意味でおすすめ。

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