東京島 / 桐野夏生著

東京島

東京島

著者: 桐野 夏生
出版者: 新潮社
発売日: 2008-05-01



世界一周の船旅に出た隆と清子夫妻。ところが途中で船は遭難し、無人島へと流されてしまった。しばらく2人で暮らしていたところにやってきたのが、与那国島でのきついバイトから逃げ出してきた青年たち23人。彼らはいつしか島をトウキョウと呼ぶようになった。トウキョウでは様々なことが起こり、そして5年の月日が流れていた。

遭難から始まって、なんとか逃げだそうとして、でも逃げられなくて、無人島でサバイバルをするイメージで読み始めたのですが、どうもそんな感じじゃないのです。最初から既に5年経っている無人島での生活。女は既に中年の域に達している清子だけ。それぞれ少しずつおかしくなっているような島で、既に脱出はとうの昔に諦め、非文明的な生活をしている日本人たち。かなりヘビーはお話でしたが、後半はあっと言う間に読んじゃいましたね。読んでから気づいたのですが、これって連載だったんですね。トウキョウと名付けられた無人島での生活を、いろんな視点から描いていたから、全体としてのストーリーとしては少し変な感じだったのかな。

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