資料使えないって、やっぱり致命的

最近、あちこちの図書館で耐震補強工事とか、アスベスト除去作業といった理由で、長期に資料が利用できないという現象が起きています。私の職場でよく案内する図書館のうち、最も致命的だったのが東京大学の東洋文化研究所史料編纂所。いずれもここにしかない貴重な資料の宝庫で、利用したいという学生・教員が頻繁に来ます。東文研資料だと思って無くても、検索してみたら実は東文研にしかないということもあり、カウンターで「ああ、今東文研は入れないんですよ」と何度言ったことか。東文研はようやく秋から通常営業に戻るみたいで、ほっと一安心。

と思ったら、今度は東京都立中央図書館ですよ。学術的な資料なら、大抵他の大学図書館でどうにかなることが多いのですが、「大衆誌の古いものを通覧したい」なんてときや、「急いでるから、今日見たい」と言われたとき、近いし、日曜も開いてるし、資料も豊富なので、ものすごく重宝してたのです。「それなら都立中央はどうですか?」と言えたので。国会だと通覧するのには時間がかかりすぎるし、資料請求の受付は18時までです。一方都立なら21時まで開いてますし、国会ほど閲覧に制限がありません。ところが先月だったか、歴史の長いある女性雑誌の昭和初期のものを何年分かまとめてみたい、と言われ、それなら都立が・・・と検索してみたら、

* 改修工事のため、中央図書館の新聞・雑誌はご利用になれません。

というつれない文字が表示されるではないですか。何かと思ったら、トップページに

改修工事中です。(5月1日〜12月31日)

というお知らせが。それを知った日は部署内で大騒ぎしたものです。

今、筑波大学も耐震補強工事のため、一部資料の閲覧が制限されているそうです。特に研究者の方にとっては死活問題ですから、ブログ等で話題にもなっているようですが、それに対して院生さんから反論が。

結局、置く場所がないんだって—筑波の蔵書一部使用不能問題 -(電子図書館はかたつむりの夢をみるか)

こういうサポーターがいる図書館は良いですよね。図書館員じゃなくて、利用者の立場から図書館擁護に回って貰えるのは、とてもありがたいことだし、図書館冥利に尽きるという感じがします。こういうことって、ちょっとした誤解や、勝手な憶測から「みんなが文句を言っている」という状態になりかねないところがありますから。こんなサポーターがたくさん作れる図書館になれるように努力したいなあと思う今日この頃です。

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