勝どき橋の謎

都心方面に向かうためにいつも使う勝鬨橋。以前に写真を載せたこともありましたが、隅田川の最下流に架かるあの橋は、自転車で通るのにはちょうど良い橋です。一つ先の佃大橋は傾斜がきついうえに、車道を走るのは危険ですが、かといって歩道を通ると明石町側は降りるのが面倒な作りになっています。一方、さらに先の中央大橋は、北側へ向かうときは便利ですが、南下しようと思うとかなり遠周りになってしまいます。その点勝鬨橋は傾斜はゆるく、そして銀座まで一直線です。昭和15年に建造された重要文化財にも指定されている橋ですが、現在も立派に役目を果たしています。

実はその歩道に不思議な鋲が打ってあります。



最近は脚力に大分自信がついて、勝鬨橋なら車道を通ることが多く、歩道のこの鋲のことを忘れていたのですが、歩道を通っていた頃は、下りが始まるくらいのところに打ってあるこの鋲を、「自転車は速度落とせ」という警告をするための障害物なのだと思っていました。

が、重要文化財でもある橋に、ただそれだけの理由で変更を加えられるわけがないのです。この前説明を聞く機会があって初めて知りました。これは、可動橋だった頃の名残で、「歩行者はここで止まれ」のサインだったとか。そして上を見上げると、



看板の跡が残っています。ここには「ここで止まってください」といった注意書きがされていたそうです。

可動橋であった勝鬨橋は、昭和45年を最後に開かずの橋になってしまいましたが、設備自体は問題はないと思われるものの、実際に動かすとなると、全体的な補修や動力系の改修が必要で、現実的にもう一度開く可能性はほぼゼロだとのこと。動くところを見たいとは思いますが、湾岸部への幹線道路になっている晴海通りが通ってることを考えると、まあ無理なんでしょうね。残念です。

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