[travel]シカゴ その2

3日目は雪があがりました。3日目は最初からフランク・ロイド・ライトの建築物を見ようと思っていたのですが、夕飯食べながらガイドを見ていたら、Oak ParkとHyde Park両方に行ける時間がなさそう。当初の予定どおり、Loopで散歩もしたかったので、どっちにいこうか迷ったのですが、前日の夕食のときに会った男の子が、Hyde Parkの彼の建築物は、まだリノベーション最中の部分もあるから、どっちか選択するならOak Parkのほうがいいかもと言われたので、Oak Parkに行くことに。Oak Parkにはライト自身が生活し、最初の妻と共に6人の子供を育てた家があり、また、その周りにも彼の設計した建築物が沢山あります。ほとんどが個人の邸宅なので敷地内に入ることはできませんが、Oak Parkという街そのものが、ものすごく綺麗な街で単に散歩してても楽しめます。



ライトはよく知られているとおり、ものすごく日本ファンな建築家です。彼の設計した建築物は、今も日本にも残っていますが、彼の家そのものにも、日本的な印象が感じられました。彼のHome&Studioで、約60分のツアーに参加したのですが(ロイドファンのおばさまの団体と一緒だったので、60分が大分伸びて90分くらいかかったんですが[笑])、Chinese(China)ではなく、Japanese(Japan)という単語をこれほど聞いたのは、日本を発ってから初めてかもしれません。もしかしたら、日本人っぽい私が混じってるからボランティアのガイドもサービスしてくれたのかもしれませんけど。残念ながら館内はケータイのカメラも含めて撮影禁止と言われてしまったので、写真は撮れませんでしたが、入ってすぐのホールには、美人画の浮世絵が。彼は常に日本の浮世絵を飾っていたそうです(Ukiyo-eではなく、Japanese artと言ってました)。何度も増改築を繰り返されているこの建物は、なかなか複雑な構造をしていましたが、その増改築も住む人のことを考えて行われていると思われる工夫が随所にあって、いいなあと思います。そして、彼の美意識自体も、古い日本建築の影響をものすごく受けている感じがします。ダイニングルームの天井のライトには、白っぽい透ける板と木の細工があしらってあるのですが、オリジナルではRice Paper(たぶん障子紙ってことだと)が使われてたそうです。残念ながら障子紙を張り替えるのは大変なのか、現在は違うものがはめてるんですけど(教えてもらったけど、忘れてしまった)、そういえば、照明のタリアセンって障子紙が使われてるのがありますよね。それに明かりとりに障子紙と木の細工の組み合わせって、日本ではよくある仕様です。入口入ってすぐのホール、旧ダイニング、新ダイニングとまったく扉が無いのですが、それも元々そういう様式だったそうで、これも日本的だなあと私一人で思っていました。そして、家の中もオークを使った直線的な家具が多くて、これもまたAmerican Decorative Artsの世界からすると、少し異色なんじゃないかと思います。彼が1905年、最初に日本に行ったときのパスポートも飾られていたりして、ライトがちょっとだけ身近になった気がしました。ただ、彼は広重が好きだったようです。私は広重か北斎かって言われたら北斎派なんですけど。

Oak Parkの駅からWright Home & Studioまで、街中に彼の作品が点在しています。ユニテリアン寺院のような公的な建物もありますが多くは個人宅。初期の作品もあれば、典型的なプレーリースタイルと言われる彼の特徴を体現しているような建物もあって面白いです。あの平行線でできた彼の建物には、古びて黒くなったオークの直線的な家具が似合いそう。個人宅を公開するのははばかられるので、ユニテリアン寺院だけ。



Oak Parkを出たらもうお昼でした。戻ってきて、当初の予定通りUnion StationとChicago Board of Trade、そしてCultural centerを観てきました。

まずはUnion Stationの階段を降りて、



Board of Tradeをポスターみたいに撮り、


そんでCultural center。


市庁舎のあたりにクリスマスツリーがあるとニュースで見たので行ってみると、ちょうどクリスマスマーケットが開催中でした。ドイツ系で、素敵なビールカップやら、シュトレンやら沢山売ってたのですが、さすがにこのビールカップは持って帰れないと思って諦めました。トロントでもクリスマスマーケットが開かれてるので、今度行ってみます。



シカゴは建物が綺麗です。ニューヨークも「摩天楼」と言うにふさわしい光景ですが、シカゴはさらに建築へのこだわりが感じられるというか。パワーがあるという意味ではニューヨークだと思いましたが、美しさという意味ではシカゴかな。帰り飛行機からシカゴを見下ろしたときに、「ああ、Loopってあんなに小さいんだ」と思いましたけど(実際歩いて回れるレベル)。



帰りのMidwayは少し混雑してました。ターミナルの入口にパスポート・搭乗券チェックと、手荷物検査があったからです。でも、搭乗券チェックのところで日本のパスポートを見せたら、「日本語でハローって何っていうの」というのが質問でした。「あともうひとつ日本語知ってるんだ、「ありがとう」ってThank youって意味でしょ?」どうよ、それって。荷物検査も案外適当でしたし。カーゴ便に爆発物が積まれてた一件から、空港の検査が厳しくなってると聞きましたが、今回のシカゴ行きではあまりそれを感じませんでしたね。

帰りも行きと同じ小型の双発プロペラ機でしたが、機長が面白い人で、「7列目の方、今日がお誕生日だそうです。おめでとう!」ってアナウンスして、機内のみんなで拍手。それに、プロペラ機ってものすごい角度で上昇し、ものすごい角度で下降するんですよね。トロントのダウンタウンがみえてきて、え、ここから空港まで下降するわけ?みたいな感じ。無理でしょって思いましたよ。実際着陸したときはかなりの衝撃で、無事飛行場のポートに止まったときは機内から再び拍手。いいなあ、ポーターエアライン。トロントからどこかへ飛行機を使おうと思っている方は、ポーターがおすすめです。トロントはまだ雪はなく、ストリートカーを待っていてもシカゴより大分暖かく感じました。それでも機内で「ただいまのトロントの気温はマイナス2度」って言ってましたから、シカゴがいかに寒かったかってことですよね。ハトだって焼き鳥の危険を冒して、暖をとるわけだ。

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