2010年6月22日

Webcat Plusがガラケー的進化を遂げた件

珍しく図書館的話題。

以下Webcatとはを3秒で理解するものなので、知ってる人は読み飛ばしてください。

Webcat Plusというサービスがあります。全国の大学図書館が協力して目録を作っているNACSIS-CATのデータが元になっています。NACSIS-Webcatという名前でウェブ上の総合目録として利用され、数年前には、進化したWebcat Plusも公開されました。全国の大学図書館の所蔵を一度に検索し、どこにあるかを確認して、取寄せを依頼したり、紹介状を持って他大学に行くときに使われる、大学図書館界には無くてはならない必須ツールです。

前提ここまで。

で、昨日、そのWebcat Plusの新バージョンが公開されました。詳しくはWebcat Plus公開のニュースなどがあちこちにあるのでそちらを御覧下さい。通常、こういう必須ツールはテスト公開して主たる利用者のフィードバックを得るものですが、あまりそういう気は無かったようです。そもそも公開が利用者のいない夜中とかではなく、みんなが利用している「正午頃を予定しています」と書いてある事自体、あまりに感覚がずれていたとしかいいようがありません。そして出てきたものは・・・

なんじゃこりゃ。

1. 「こういうテーマの本を検索」と、「この本を検索」のバランスが取れてない
書籍を検索することって大きくわけて2種類あるんです。なんとなくこういう本を探しているという場合と、このタイトルの本を探しているという場合。なんとなくこういう本を探しているというときは、連想検索とかすごく楽しいし、便利なんですけど、「この本を探してる」ってとき、このシステムでは探しにくいと思う。タイトルキーワードの適合度順表示とかにも対応してないし、検索結果一覧も大量に一覧するような形になってないですし。

2. そもそもWebcatの目的さえ忘れ去られてる
Webcatの最大の機能(それはGoogleでもYahoo!でもできないことで、ある意味最大の売りだと思う機能)は、探してる資料を、全国のどの大学図書館が持っているかを一発で検索できることだったのに、その部分が完全に抜け落ちてる。一応所蔵館は表示されるけど、ものすごく見難いし、印刷さえできない。せめて「この本を持ってる大学をGoogle Mapでマッシュアップして表示する」くらいやっても罰は当たらないと思うんですが。

3. 電子図書云々と言ってるわりに、媒体で絞り込みさえできない
 確かに大学図書館は一般の人には使いにくいです。だから国会の近デジとか青空文庫のような、オンラインで利用できる無料図書を入れてるんだと思うのですが、それにしちゃ中途半端。資料探してる人って大抵急いでるんです。一般人だろうが学生だろうが、通常資料を探すときって、何か目的があり、それには締め切りというものがありますよね。なのに、図書館に行かなくてもいいのはどれなの?!っていう要望に全く応えてない。全文が見られるものだけに絞り込むことさえできない。片手落ちです。個人的には、旧Webcat Plusでは出来ていた雑誌だけの絞り込みができなくなってるのもびっくりです。

4. そして、どこで手に入れるの?!
 3の続きですが、なんとなく主題で探してる人も、本気で「この本」を探してるっていう人も、最終的には書誌情報が欲しいわけじゃないのです。どこにあるのか、どうすれば手に入るのかが重要です。旧態依然とした図書館のOPACでさえ、所蔵館絞り込みができるのに、以前はできていた「所蔵館があるものだけに絞り込む」ことさえできなくなったし、関東圏内とか、そういうこともやる気なさそうなのがなんとも。それだったらAmazonのほうがその場で(1Clickで)買える分百倍ましだよ、みたいな。

5. さらにびっくり、「あなたの本棚」なんて名前なのに、保存できない!
本棚6個作れますって、それいつまで保管してくれるのでしょう。大学で作って、家で見られないなんて。ああ、そうか、「一般人」は、いつでも自分用パソコンを持ち歩いてるから、家用と職場用とか全く別のマシン使ったりしないんですね!

全体的に、「今やれること」をてんこ盛りしたっていうところが、ガラパゴスケータイを彷彿とさせるんです。最初はすごいねーって言われるけど、実際のところそれをどうやって使うのか見えない(多分作った本人たちも見えてない)から、すぐに飽きられる。多くの機能がありながら、全部を使いこなす人は少ない。こういうのって、一般人が使えるとか考えなくて良いと思うのです。自分たちがヘビーユーザーになるような機能を次々と開発して欲しいなあと思うのでした。そして、このデータベースの目的や存在意義を見失わないで欲しいとも切実に思います。

最初は文句を言いつつも、徐々にWebcat Plusに慣れてたのに、リンクもブックマークもNACSIS-Webcatに戻すはめに。来週の学生相手のオリエンテーションはどうすればいいんでしょうね。

ちなみに図書館界でのいわゆるGoogle(スタンダード)は、Worldcatだと思うのです。反論もあろうかとは思いますが、複数の国立図書館の所蔵を含む15億超の書誌データは伊達ではありません。日本の国立国会図書館もデータ提供の契約を交わしています。比べてみてどう思いますか?

2010年6月16日

[movie]告白

監督・脚本: 中島哲也
原作: 湊かなえ
出演: 松たか子、岡田将生、木村佳乃ほか
2010年/日本/カラー/105分

3月の終業式の日。クラスの生徒の前で担任・森口悠子が語りだした。「一人娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、事故死ではありません。娘はこのクラスの生徒に殺さたのです。」そして衝撃的な事実を告白する。

公開前からかなり良い評判を聞いていて、先に原作を読んだのですが、原作もかなり衝撃でした。が、あくまで本だからこその面白さで、これを映像にしたらどのような形になるのだろうとも思っていました。結果いい意味で裏切られました。原作の語り手を変えるという手法は踏襲しつつも、映像ならではの語り方、セリフの無い箇所の見せ方、スローモーションの効果的な使い方。約1時間半、私は1年B組の生徒の中に入っているような緊張感を体験できたと思います。この物語は「お手軽な感動もの」に対する強烈なアンチテーゼだと思うのですが、だからこそ、最後まで徹底して暗いです。ただ、もっと嫌な気分になる映画かと思いきや、これが意外とそうでもなかったです。最初にも書いたとおり、1年B組の糸が張り詰めたような緊張感・緊迫感に圧倒され続け、そして終映で現実に引き戻されると同時に解放され、抜け殻状態という感じでした。おすすめとまでは言いませんが、映画好きなら是非。本か映画か、どっちが先かと言われると難しいですが、読んだ後でもその魅力は全く削がれていなかったと思います。

2010年6月12日

[自転車散歩]醤油を買いに野田に

なんかこのところ映画エントリばっかりなので、少し反省して自転車エントリ。

以前、キッコーマンもの知りしょうゆ館で買ったお醤油(御用蔵醤油)がとても美味しかったので、再びあれを買いに行こうと野田まで行くことにしました。我が家から野田は約40キロ。途中20キロ余りは江戸川サイクリングロードを走れるので、自転車で行くのにちょうど良い場所です。醤油を買うのはミッションのひとつではありますが、サイクリングが主目的。ただ走るのも嫌いではないですが、何か目的があるとさらに楽しいです。

水元公園までは下道。スカイツリーまでは直線の裏道があるのでそれで行くのですが、そこからの国道6号が結構難点です。墨田区内は十分な路側帯もあって走りやすいのですが、四ツ木橋を渡って葛飾区に入ると路側帯がほぼゼロになり、道路の状態もひどくなります。とはいえ、国道は最も直線的に走っている道路なので、距離を稼げるのと、道が広いのである程度速度が出せるために、いつもなんだかんだと6号を北上する我々です。

11時頃野田のキッコーマンに到着。見学は断り、売店で「御用蔵醤油」を買おうとすると、隣には杉桶仕込みの「れんが蔵しょうゆ」も出ていたので、そっちも購入。レジでさらに小瓶入りの醤油を2つもおみやげとして貰ってしまいました。もちろん頂けるのは大変ありがたいのですが、我々の移動手段は自転車なわけです。相方のリュックに御用蔵と小瓶2本を入れ、私はれんが蔵を持つことに。途中、お気に入りの「ゆでたて家」でうどんを食べて、再び江戸川サイクリングロードに戻ってきましたが、案の定の向かい風、そして重い荷物がずっしり。なかなかハードな帰り道です。下道に降りてしまえば風の影響は減るのですが、今日は結構強風で、ビルとビルの間ではかなり強い横風が吹いていて、何度かハンドルを取られそうになりました。

水元公園付近で信号待ちをしていると、歩道のおばあさんに「金町駅はまだ遠いですか」と聞かれました。自転車なので地元民なのだと思ったのでしょうが、もちろん地元でも何でもない上に、あの辺りは自転車でしか移動してないので、駅の位置もその徒歩での距離感も全く分かりません。「駅は全然わからないんです」と答えて、再び走り出してから、いつも金町駅の前を通ることを思い出しました。すまん、おばあさん。でもあの位置から、この炎天下の中を金町駅まで歩くのは、自殺行為としか思えない。ちゃんと辿りつけたかな〜。

というわけで、先週見事に腕輪になった日焼けが、今週さらに黒い腕輪になりました。腕にはアームカバーをつけてるのですが、しばらくしていると、半袖のシャツとアームカバーの間に隙間ができちゃうんですよね。そこが綺麗に日焼けして、腕輪になってます。相方には「W杯シーズンだからって、キャプテンマークつけなくても」とか言われてます。

御用蔵醤油は干しカズノコの味付けに、れんが蔵醤油は角煮に使ってみました。御用蔵は香りが良いのでそのままで使うのが良いと思います。れんが蔵はやや味が濃い感じです。ちなみにどちらも野田まで行かなくても、通販で買えます。また、もの知りしょうゆ館は、東武野田線野田市駅からもすぐなので、あえて自転車で行かなくても大丈夫です。

本日の戦利品↓

2010年6月11日

[movie]彼とわたしの漂流日記

原題: 김씨 표류기 (Castaway on the Moon)
監督: イ・ヘジュン
出演: チョン・ジェヨン, チョン・リョウォン
2009年/韓国/カラー/116分

リストラに多額の借金、彼女にも逃げられどん底のキムは、漢江へ飛び込んだ。しかし死にきれずにたどり着いたのは、橋桁の下の無人島。そこで奇妙なサバイバルが始まる。一方、漢江のほとりのマンションに住む"わたし"は、3年間ひきこもったまま、ネットだけで外とつながって生きていた。そんな彼女の唯一の趣味が、望遠レンズで月を撮影すること。ある日、彼女は無人島で奇妙な生活をする彼を見つけるが・・・

かなり笑えて、かつ「ああ、ご飯っていいなあ」と思えるコメディドラマ。お腹空きながら見ていたので、ものすごくジャージャー麺食べたくなったのですが、映画のなかの彼と同じく、私もジャージャー麺にはあまり良い思い出がなくて、それがまた笑えました。我が家の近くにも漢江の無人島のような場所があります。レインボーブリッジとお台場の間の島々。人工島なんだと思うのですが、どこからも渡れず、もちろん一般の立ち入りも禁止。案外都会の中の無人島ってどこにでもあるのかもしれません。

目の前に文明社会を見ながら行われる無人島サバイバル。ラストはどうかなーと思ったのと、やや長いかなと思ったのが減点ですが、楽しめるラブストーリーでした。場所も東京にありそうな場所でしたし、片方がひきこもりというのも親近感のわく部分だったのですが、でも韓国の春と秋の「ある1日」は衝撃的でした。なんだろうと思う方は、是非映画で。

2010年6月4日

[movie]セックス・アンド・ザ・シティ2

原題: SEX AND THE CITY 2
監督: マイケル・パトリック・キング
出演: サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン
2010年/アメリカ/147分/カラー

ミスター・ビッグとの結婚式から2年。不況真っ只中のニューヨークで、キャリーは焦燥感に苛まれていた。キラキラした結婚生活を夢見ていたのに、ビッグは毎日カウチに寝転んでいる。シャーロットは子育てにてんてこ舞い。ミランダは上司とそりが合わず、大変な目に遭っている。サマンサは相変わらずだが、寄る年波には勝てないようだ。そんなある日、サマンサはアブダビの実業家と意気投合。彼の持つホテルへ行くことになり、もちろんキャリーたちも一緒に、禁断の国へゴージャスな旅をすることになったが・・・。

6月からユナイテッド・シネマが水曜日だけでなく金曜日も1000円になり、初日のSATCへ。

前作は、あーやっぱり女子的な結末になるのねーとややがっかり感が強かったのですが、今回はより等身大の彼らが戻ってきた感じで、すごく楽しかったです。それぞれの悩みは全然違うけれども、どれも女性にありがちな悩みばかり。実際のところ、どの悩みも全く異なる悩みなので、ただ同調しあう「私も私も〜」じゃないんですよね。主婦でもバリバリキャリアウーマンでも、ライターでも遊び人でも、それぞれが自立した女性で、それぞれが違う考え方を持っていて、それをお互いに尊重しあうという緊張感ある4人の関係が見られて満足です。そして元気を貰ったなーと思えるラストでした。明らかに女性向け(女の子向けではない)で、実際観客も女性に連れられた男性以外は、ほとんど女性でした。テレビシリーズと前作を見てからでないと辛いかな。誰が誰という説明は全くなし。エイダンとかスミスとか、ストーリーを進めるためだけの脇役で出てきてますが、彼らにはながーいストーリーがあるんです。それが分からないと見ていてちっとも面白くないかも。