[exhibition]ルーヴル美術館展

あまりの暑さに、家から10キロ以内で過ごしている夏休み。たまたま東京都美術館で行われているルーヴル美術館展の招待券があったので、上野まで行ってきました。

膨大な量のルーヴル美術館所蔵品の中から「地中海」という切り口で、8つのセクションから美術品を展示している「結構おいしい展覧会」です。「ルーヴル」といって思い出され、それ1点でも人が呼べるような超有名な絵画とか像が来ているわけではないのですが、古代から宗教と政治的思惑によって様々な民族と国家によって争われ、統治されてきた地中海周辺は、文化的に見ても非常に面白いものだというのがよく分かる展覧会で、とても勉強になりました。

古代はその地域でよく採れる石や木材が、それぞれの地域の特性で「道具」にされていたのでしょうが、それが統治国が変わり、貿易が発達することで、文化の伝播が起きたり、融合が起きたりしているのが時代を追って変化する美術品を見ることでも分かります。ギリシアの美的センスとその技術力の高さは、同じ時代の物品を比べると明らかですが、それでもエジプトやカルタゴのエキゾチックな色使いや、独特の素材を使った美術品は、別の意味で美しいとも思います。それぞれが、互いに影響を受けていくのも興味深いです。

また、地政的にもいろいろと面白い場所なんだと改めて思いました。まあそのせいで未だに紛争が絶えない地域でもあるのが残念ですが。

西洋美術館や東博などの周辺の国立博物館と比べてしまうと可哀想だとは思うのですが、今回は構成力で予算の差を補ったな、と思える良い展覧会です。お近くの方は是非。
そういえば、朝、科博の前を通りがかったときに、科博から西洋美術館まで伸びる行列(チケット購入列?)ができていました。深海展、大人気ですね。

参考:http://louvre2013.jp

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