五能線の旅(4) ウェスパ椿山〜川部


(3)から続く

ウェスパ椿山という駅は、2001年に出来た五能線の中で最も新しい駅です。深浦町が第三セクターのふかうら開発に委託したウェスパ椿山というリゾート施設の中に2001年に新設されました。不老ふ死温泉からは本当は隣の艫作(へなし)駅のほうが近いのですが、リゾートしらかみは現在はウェスパ椿山にしか停まらないので、温泉の送迎バスもウェスパ椿山へ送ってくれるのです。写真のとおり駅舎も改札もない、ホームが広場の中にある不思議な駅です。これが駅として成り立つ五能線素晴らしいです。

ウェスパ椿山はいかにもバブル期に建てられた感のあるリゾート施設ですが、駅前のお土産屋は列車待ちの合間に買い物するのに便利。また、本当は動態保存したいらしいハチロクが駅前広場の片隅に放置されています。ハチロクって言っても車のことじゃないです。SLです。8620形蒸気機関車。日立製作所が製造したもので、ここに来る前は茨城にあったらしいこの機関車、ちょっと気になります。


ウェスパ椿山からは、今度こそリゾートしらかみ1号(青池編成)に乗りました。


ここからしばらくはまた海沿いを行くので、徐行運転もしてくれます。


深浦駅でしばし停車。


リゾートしらかみ1号は残念ながら通過してしまうのですが、千畳敷駅で15分ほど停車する列車もあって、千畳敷を散策できるらしいです。

今日のお昼は鰺ヶ沢で。


駅そばの水軍の宿で、まずは温泉に浸かり、そして鰺ヶ沢名物のヒラメの漬け丼をいただきました。さすが宿が出す丼だけあって、ちゃんと火のついたお吸い物がついてくるんです。しかも、「最後はお茶漬けにする人もいるんですよ」なんて言われたら、絶対やりますよね。とても美味しかったです。



駅前にスーパーがあったので寄ってしまいました。そしたら宿では化粧箱入りで10個3000円くらいで売っていた青森産の「きおう」が中玉4個170円(税込)で売っていたので即買い。スーパー最強。なんとなくずーっと海辺を来たので、海産物を沢山食べた気がするのですが、その一方で雪ノ下人参とか、青天の霹靂(米)とか、もちろん青森産のりんごとか、農産物も豊富なんですよね。


駅のホームに出ると、前回青森に来た時には結局一度も見えなかった岩木山が綺麗に見えました。



鰺ヶ沢駅からは、最新のハイブリッド車両である橅編成のリゾートしらかみ3号に乗ります。


鰺ヶ沢から五所川原までの20分ほど、車内1号車の展望室で津軽三味線の演奏が行われます。こんな空いている時期なら1号車に適当に座っていても何も言われません。


橅編成は最新車両だけあって、バーみたいなカウンターがあります。青森と秋田の地酒を200〜300円くらいで試飲できます。お土産品も充実。


五所川原を過ぎると車窓は田園風景になって、岩木山が後ろになると、前には八甲田山が見えてきます。


147km137mの五能線の旅は川部駅で終了。


リゾートしらかみ3号は弘前まで行きますが、我々は東京へ戻るので、ここで奥羽本線に乗り換えて新青森駅に向かいました。ここからは普通の通勤電車なのでしょう、ボックス席ではなく通勤用のロングシート車両がやってきました。新青森駅で新幹線に乗り換えて東京へ。五能線147kmの移動に3日間かけましたが、新青森-東京間713kmは新幹線で3時間半弱です。近いと言えば近いし、新幹線で3時間は長いと言えば長いですね。

五能線良かったです。時間はかかりますけど、車窓は面白いし、列車の中もイベントがあったりいろいろ工夫がされていて、全然時間が足りない感じでした。今度は五能線のローカル電車&自転車を組み合わせるのもありかなと思いました。五能線フリーパス(2日間)の切符も発売されているのですが、2日間じゃ短いかな。ちなみに秋田-新青森を五能線経由で乗車券を買えば200kmをギリギリ超えて3日間有効なので、行ったり戻ったりしなければ乗車券のほうがおすすめです。

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